手軽にできるウオーキング
髪と体の健康にとって、食事とともに大事なのが適度な運動です。
運動不足は全身の機能を低下させ、特に心肺機能が弱まれば、血行不良を引き起こして新陳代謝がうまくいかなくなり、髪にも悪い影響を与えます。髪と連動がどういう関係にあるのかは、なかなかイメージしにくいでしょうが、かなり密接なつながりがあるのです。
運動といっても、あまりハードな運動はむしろよくありません。活性酸素や疲労物質(乳酸など)を蓄積し、かえって体にはマイナスなのです。あくまで自分の体力に応じて毎日安全に行なえる適度な運動が体にも髪にもいいわけで、たとえばウォーキング、水中ウオーキング、水泳、エアロビクス、ダンベル体操、ストレッチングなどがあげられます。
いずれも酸素を体内に取り入れる有酸素運動で、筋肉内に疲労物質を発生させないように運動するため、筋肉が疲労せず、長時間継続して運動できるメリットがあります。
また、内臓についた脂肪や皮下脂肪を効率的に燃焼させるには、運動を20分以上続けないと効果がありません。その意味でも長く続けられる有酸素運動が有効で、なかでもおすすめなのが、早足で歩くウォーキングです。
ウォーキングのいいところは、専用の道具もスペースもいらず、手軽にできる点です。通勤・通学の行き帰りに一駅手前で降りて歩くとか、買い物に出かける際には自転車・バイク、自動車をやめて意識して歩くなど、日常の生活の中に取り込めます。
ウォーキングを習慣づければ、新陳代謝を活発にする、骨の老化を防ぐ、余分な脂肪を落とす、といった効果が期待できます。
血液の循環がよくなり、新陳代謝が活発になることによって、ホルモンの分泌が活発になります。それに伴って、年齢とともに衰えがちな皮膚の皮脂分泌もよくなり、紫外線やスギ花粉などから肌を保護したり、皮膚の水分の蒸発を防ぐなどして、潤いのある肌を保ってくれます。
皮脂の過剰分泌は脂漏性脱毛症の要因になりますが、ウオーキングで活発になるていどは、正常の範囲ですから心配せずとも大丈夫でしょう。
大きく手を振り、早足でさっさと歩くことで、骨周りの筋肉が自然と鍛えられ、骨細胞も刺激されて、骨自体もますます丈夫になります。現代人に多い腰痛にも効果的です。
脂肪を燃やすには大量の酸素を必要とするので、その点でも、有酸素運動のウオーキングはうってつけです。ただし、先にも述べたように、歩き始めてから20分以上経たないと、脂肪は燃焼されません。最低でも1日20分以上をめやすに歩くようにしましょう。最初から無理をするよりは、徐々に時間・距離を延ばしていくとよいでしょう。