「皮脂を取ることが必要だ」と勘違い
「皮脂を取り過ぎるようなシャンプーで、皮脂を取り過ぎるようなシャンプー法を採っていると毛を無くす」
頭髪専門の医師が、このことを記述して第1回目のメールマガジンを配信したら、いきなり電話がかかってきました。「頭を洗ってはダメなんですか?」と。それだけ当時は頭皮を椅麗に洗うことが必要だと信じられていたのです(現在でも多くの人は信じていますし、理美容業界や育毛業界では当たり前のように言われます)。
現在でも、毛に不安があったり、痒みがあったり、フケが出ていたり、臭っていたりすると「清潔にしなさい」と当たり前のように指摘されます。でも、本当に清潔にすると良いのでしょうか?
私たち人の体は角質層・セラミド・皮脂膜でできたバリア構造(体を守る膜) で守られています。
ところが、このバリア構造を崩すものがあります。それが脂分を取り過ぎるシャンプー(洗浄成分として脂を落とす作用の強い界面活性剤)で、そのシャンプーで皮脂を取るようなシャンプー法を毎日行うことなのです。
なお、ここで取り上げている界面活性剤とは、洗浄成分としての界面活性剤のことです。混ざらないものを混ぜる界面活性の技術は、上質な化粧品を作るには欠かせないものなので、すべての界面活性剤について言っているのではないことをお断りしでおきます。
週に1回程度なら皮脂(皮膚の脂)を取るようなシャンプーをしても、皮脂は再度分泌されるので皮膚のバリア構造(体を守る膜)はほぼ崩れません。
ところが、1990年の初めごろから、マスメディアを通じて、「皮脂が毛穴に詰まって毛が生えなくなる」「皮脂が多いと抜け毛に繋がって薄毛になる」と紹介されました。抜け毛と薄毛には因果関係はないのに。
これがキッカケとなり、多くの人が「ハゲたくなければ皮脂を取ることが必要だ」と思ってしまい、毎日皮脂を取る作用の強いシャンプー(脂を落とす作用の強い界面活性剤)で頭皮をよく洗って、皮脂を取るようなシャンプー法を採り始めたのです。