頭部を人から見られるのがストレス
20歳代の若い女性Dさんのケースです。
Dさんの仕事は介護職で、老人ケアの施設で働いていました。5年ほど前から、自分の髪の毛はなんとなく薄いかなと感じていました。
頭髪専門のクリニックを訪れたときには、地肌が透けているところもある状態でした。仕事柄、毎日いろいろな人と接し、髪の毛が人から見えるような姿勢をとることも多いだけに、頭部を見られるのがイヤで、それが相当なストレスになっていました。
幸い、ミノキシジルなどによる発毛を促す治療によって、順調に改善しました。遠慮のない話し方をする妹から、「2車線が1車線になった」と言われたといいます。その後、人間関係の問題などがいろいろあって事務職に転職しましたが、いまは髪の毛のことも気にならなくなり、生き生きと仕事をしています。
ストレスや片寄った生活の影響も
Dさんの場合、なぜ薄毛になってしまったのか、率直にいって、医学的にはよくわからないところがあります。ただ、実際の治療経過としては、ミノキシジル、ビタミン、ミネラルなどを使用した治療によって、髪の毛の状態が改善し、気持ちも明るくなり、生活状況も好転しました。
20歳代をはじめとする若い女性の薄毛、脱毛は、さまざまな原因やきっかけによって引き起こされる可能性があります。頭髪専門のクリニックを訪れる患者さんたちを見ていると、まず、血流障害による脱毛で、ストレス過剰や生活状況が影響していると思われるケースが、かなり多く見られます。
実際の治療経過からいえば、睡眠時間の不足、不規則な睡眠、片寄った食事などを改めて生活をできるだけ立て直すようにアドバイスし、ストレスを解消したり和らげたりしていく工夫をすることによって、数カ月のうちに髪の毛が相当しっかりした状態を取り戻してくることが少なくありません。
薬による治療としてはやはり、ミノキシジルによる発毛促進、ビタミン、ミネラルなどになります。
食事を毎日しっかり取ってといってもすぐには改まらず、まずサプリメントによるビタミンやミネラルの摂取で体調をある程度戻しながら、生活面の改善アドバイスも徐々に受け入れてもらうという成り行きが、実際にはよくあります。