頭皮のトラブルから薄毛、抜け毛へ
若い女性で多く見られるのが、頭皮の荒れ、トラブル、疾患などが、結果的に薄毛や抜け毛につながっているケースです。
毛穴周りのフケ、アブラから起こる細菌性の炎症(脂漏性皮膚炎)、ヘアケア用品(シャンプー、トリートメント、カラーリング、パーマなど)が合わずに頭皮を荒らしてしまったり(接触性皮膚炎)、ストレス過剰が頭皮の荒れにつながることもあります。
なるべく刺激の少ないシャンプーなどを選ぶとともに、シャンプーその他のヘアケアを実施するときに、できるだけ頭皮を傷つけないように気を配るよう習慣づけることで、かなりの場合、頭皮の状況は改善されます。
過度のダイエットと薄毛、抜け毛
不適切なダイエットによる脱毛などといったケースもあります。人間の毛やツメは皮膚の最外層にあたりますが、行きすぎたダイエットによって、その形成に不可欠な微量ミネラルが腸から吸収できなくなってしまうことがあります。
そうすると、髪が伸びない、細くなる、ツメが伸びずに薄く軟らかくなる、皮膚がカサカサになる、といった状態に至ることがあります。そういった状況が続けば、抜け毛の増加や貧血などの症状が表れる場合もあります。
出産後の一時的な脱毛
出産を終えた後に、抜け毛が増えたり薄毛が目立ったりすることがあります。妊娠中は、お腹の子供に栄養を取られますが、妊婦の髪の毛は、出産準備のために分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)などの女性ホルモンによって成長期が維持され、抜け毛が少なくなります。
しかし出産後はホルモンバランスが通常の状態に戻り、成長期が維持されていた髪の毛がいっせいに休止期に入ってしまうために、出産後に一時的に抜け毛が多くなり、髪が薄くなってしまいます。通常は脱毛後3~4カ月の時期から徐々に回復し始めます。
ときに別の理由による脱毛に移行してしまうケースもありますので、いつまでも改善しない場合には、医師に相談したほうがいいでしょう。
卵巣機能の低下による脱毛
さまざまな原因から、ホルモン分泌の減少、卵巣機能の低下が起きるケースが、20歳代、30歳代の女性でも増加しているといわれ、「卵巣機能低下症」「若年性更年期障害」などとも呼ばれています。
女性ホルモンの減少、男性ホルモンの影響の強まりなどから、脱毛が起きるということも考えられます。
卵巣機能の低下によって、月経不順、無月経、不正出血や、発汗、ほてり、冷え、イライラなど更年期障害と似た症状が出ることもあります。そのようなときには、婦人科医などを受診して、その治療を優先するようにしてください。
甲状腺異常などの病気に伴う脱毛
髪の毛が薄くなってきたことを心配して、皮膚科などの医療機関を受診し、そこで別の病気が見つかるというケースも案外見られます。
比較的よくあるのが、甲状腺機能克進症、甲状腺機能低下症、甲状腺の炎症や腫れなど、甲状腺の病気です。バセドゥ病や橋本病といった疾患が関連している場合もあります。また、鉄欠乏性貧血から薄毛や脱毛が起こることもあります。
いずれの場合も、まずその病気の診断と治療について医師とよく相談し、しつかりと健康を取り戻すのがいちばん大切なことです。