初期の抜け毛や薄毛なら女性で9割以上の改善率
抜け毛や薄毛で悩んでいるのなら、なるべく早く行動を起こすことです。髪の毛の問題は、初期ほど改善するものです。
育毛相談WEBセラピストの山田佳弘先生は、この15年間たくさんの人々の育毛相談に乗ってきました。その経験から、初期のころに山田先生のアドバイスに則ってきちんと問題に取り組めば、男性で7割前後、女性で9割以上、合計すると約8割で効果が望めることがわかってきました。
山田先生の育毛アドバイスの中でも、ウオーキングは大事です。「歩くこと?」と、拍子抜けする人がいるかもしれません。歩くことが、頭皮のケアを生かして育毛効果につながるのです。
山田先生はよく、「髪の毛はあなたそのもの」という言葉を使います。髪の毛は異物ではありません。あなたの健康状態そのものといってもいいでしょう。
髪の毛は外部から栄養を与えられても育たない
育毛剤に頼り過ぎるような人は、「頭皮が肥沃であれば毛が育つから、頭皮環境が大事」だと考えます。このような考え方は、まるで私自身とは違う異物が、頭皮という畑から生えてくるような錯覚が根底にあります。外から栄養を与えれば、果たして毛は育つのでしょうか。
髪の毛は、私の体の内部で生まれた「私そのもの」であり、外部から栄養を与えられても育ちません。食べたものが消化吸収され、血液に乗って全身に配分され、毛細血管から毛を作る組織に取り込まれ、細胞分裂をくり返して成長していきます。
麻薬やヒ素中毒を調べるのに毛髪を使用するのもこのためです。髪の毛は1カ月に約1cm伸びるので、麻薬やヒ素を取り込んだ成分が毛に残り、時期もだいたい特定できるほどです。
運動不足が血液循環を悪化きせ薄毛を招く
山田先生のところに育毛相談で訪れる人は、スポーツの習慣がなく、毎日、歩いていない人がほとんどです。ことに車社会の地方都市において、その傾向は顕著といっていいでしょう。そんな状態では、いくら頭皮のケアをしても効果を上げません。
「足は第2の心臓」とよくいわれます。心臓から送り出された血液は、体の隅々まで送り届けられますが、末端の足先まで届いた血液は、静脈血として、重力に逆らって心臓へ返ってこなければなりません。
足先に届いた血液を心臓に戻すには、足の筋肉の力を借りる必要があります。歩くことでふくらはぎを使うと、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用(乳搾り作用ともいう)によって、足にたまっていた静脈血を心臓へと送り返します。このことが、全身の血液循環を促すのです。
歩かない生活では、ふくらはぎを十分に使わないため、静脈血が足に停滞しがちになります。そうなれば、全身の血液循環も停滞します。
頭は心臓よりも上にあり、全身の血液循環が停滞すれば、高いところにある分、血液が巡ってきません。酸素と栄養が十分に頭皮に届かなければ、栄養不足・酸素不足に陥った髪は、弱く細い髪の毛へと変わっていきます。結果として、抜け毛が増加したり、薄毛になったり、栄養不足が長引けば、白髪が増えることにもなるでしょう。
M字ハゲの頭に毛が増えてきた
ウオーキングの理想は、1日合計で60分です。歩き方は、「少し大股で、かかとから着地して、つま先で蹴る」ようにするといいでしょう。この歩き方を心がければ、ふくらはぎをしっかり使うことができるのです。
60分を、何度かに分けても構いません。お勧めは朝、歩くことです。朝日を浴びながら歩けば、体内時計が刺激され、夜は適度な時刻に眠くなります。熟睡も髪のためには大切です。
続けていくことで全身の血行がよくなり、髪や頭皮に栄養が行き渡るようになると、徐々に髪の状態も改善されます。
最後に体験例の紹介です。
Oさん(44歳・男性)は、額の生え際がM字状にかなり薄くなっていました。頭皮は硬く、頭蓋骨についている状態です。頭皮が激しく緊張し、血行も悪化していると考えられました。まじめなタイプで、仕事のストレスも大きかったようです。
そこで、体をよく温め、毎朝朝日を浴びながらのウオーキングを実践してもらいました。すると、伸びなかった毛がだんだんと成長するようになり、生え際の毛のなかったところに毛が増え始めました。現在、生え際は以前より2cmくらい前方に回復しています。
歩くだけで、頭皮のケアの効果が行き渡り、髪の状態は顕著に改善するのです。