薄毛が治らない

何をやっても薄毛が改善しないと悩んでいる人に参考になるヒントがたくさんあります。


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髪の毛の構造とヘアサイクル

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毛母細胞が分裂を繰り返して

まず、私たち人間の髪の毛の構造を見ておきます。大きく分けて、皮膚の中にもぐり込んで外からは見えない部分(毛根)と、皮膚の外に出ている部分(毛幹)があります。草花でいえば、皮膚が地面、毛根は土の中に伸びていく根っ子、毛幹が植物の幹にあたるということです。

毛根は、毛包というサヤのような膜に包まれ、毛包の上部に付属する皮脂腺が皮脂を分泌しています。毛根の下部は卵形にふくらんでいて(毛球)、毛球の底のくぼんだ部分に髪の毛の生産工場にあたる毛乳頭があります。

毛球には、髪の毛を成長させる毛母細胞が詰まっています。毛母細胞は、毛乳頭に通じている毛細血管から栄養を吸収し、分裂を繰り返して上に伸び、毛幹部分、つまり私たちがふだん「髪の毛」と呼んでいる部分を作っています。

髪の毛の成長のためには、頭皮周辺の血流が良好であること、毛母細胞の活性が十分に高いこと、などが重要であると考えられています。

毛幹は、もっとも外側で表面を覆い包む1000分の1ミリ程度の薄い膜の毛小皮(キューテイクル)、髪の毛の大部分を占める毛皮質(コルテックス)、髪の毛の中心部分を占める毛髄質(メデュラ)という三つの層でできています。

 

 

伸びて、抜けて、また生える

日本人の髪の毛は頭部全体で約10万本あり、毛母細胞の分裂によって、休止期までの一定期間、成長して伸び続けます(成長期)。髪の毛の成長期の長さは2~8年といわれますが、毛髪専門の医師は、ふだん患者さんには、「健康な人の髪の寿命は5~7年」と説明しています。

毛根部分での毛母細胞の分裂は、一定期間の後に停止し、退行期(約2週間)を経て休止期(約3カ月)に入り、やがて抜け落ちます。そして、また成長期が始まり、新しい髪の毛が生えてきます。

私たち人間の髪の毛は、このように、成長期、退行期、休止期を経て、髪の毛が伸び、抜け落ちて、また新しい毛が生えてくるということを繰り返しています。これをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。

通常、頭部の髪の毛の約1割が、休止期の状態に入っているといわれます。全体で10万本のうちの1割ですから、1万本が3カ月の休止期のなかで抜け落ちていくことになります。もちろん毎日同じ本数が抜けるわけではありませんが、平均すると1日に100本程度の髪の毛が抜けていることになります。

また、毛の太さは、思春期から20歳前後まで太くなり、それ以降は30歳、40歳、50歳と年をとるにつれて細くなり、伸びる速度も遅くなります。

 

 

気になるときは、早めに医師に相談を

頭髪専門のクリニックを訪れる患者さんのなかで、「抜け毛が毎日何十本もある。このままではそのうち髪の毛がなくなってしまうんじゃないかと、心配でたまらない」などと訴えてくる人がいます。

抜ける毛もあれば、新しく生えてくる毛もあります。毛が生えてくるところを目にすることはなかなかできませんが、洗髪時の抜け毛などは目に見えますので、不安をつのらせてしまう気持ちも理解できます。

しかし、いま説明したように、1日に数十本から100本程度の抜け毛は、ヘアサイクルによって私たち人間の体に起きている自然な出来事です。また、ある程度の年齢になって、髪の毛が細くなった、コシが弱くなった、ボリューム感が落ちたなどと感じるのも、やはり人間の体にとって自然なことです。

どちらも、それだけですぐに病気や異常というわけではないことを、知っておいてほしいと思います。

ただし、薄毛や抜け毛が目立つ場合、医学的な治療をしたほうがいい脱毛症によるものであることもあります。

短い月日の間に髪の毛の総量が極端に減った。脱毛量がたいへん多い。ある部分だけ毛が細くなった。髪の毛の伸びが明らかに遅くなった。などと感じた場合、気になるときには、一人で悩んでばかりいないで、早めに専門家に相談するのも大切なことです。

現在、日本の医療機関のなかで、薄毛や脱毛を受け持っているのは、おもに皮膚科の医師です。誰かに相談してみようというときには、近隣の皮膚科医を訪ねたり、あるいはまず、なじみのかかりつけ医に話してみるのも一つの方法です。

 

 

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