加齢によりかたくなる頭皮を刺激し血行を促進
大阪市にある、里見英子クリニック院長の里見英子先生は、今年64歳になります。
患者さんから、「どうやったらそんなふうに若々しくいられるの?」とよく開かれます。年齢の割に、髪も黒くてたっぷりしていると自負しています。里見先生の髪が実年齢よりも若いのは、内科医としての知識を生かして、手軽にできるセルフケアを続けてきたからです。
今回は、里見先生のヘアケアの秘訣をお話ししましょう。
40代の半ばには、こんなことがありました。あるテレビ番組に出演したときのこと。後ほど、録画した物を見てみると、番組の終わりで、視聴者に向かってお辞儀した時の頭頂部が、薄く見えたのです!
女性の場合、45~55歳の更年期に入ると、閉経へと向かって女性ホルモンが減ってきます。美しい髪を作るのは女性ホルモンの働きですから、閉軽で女性ホルモンが減ると、薄毛になったり白髪が増えたりします。まさに、それが当時の里見先生に起こっていたのでしょう。
里見先生はこれではいけないと、セルフケアを始めました。
その方針は、
○頭皮の血行をよくする
○体の内側から髪を豊かにする
という二つです。
まず、里見先生が行ったのが「頭皮マッサージ」です。
髪の毛の根元にある毛乳頭という部分には、毛母細胞があります。この毛母細胞が細胞分裂することで髪を作り出すのです。しかし、加齢によって頭皮がかたくなると、血行が滞って毛乳頭へ栄養が届かず、健康な髪が育ちません。
そこで、頭皮マッサージにより、効果的に刺激して血行を促進するのです。その結果、毛乳頭の血行がよくなり、毛母細胞の働きを活性化させることができます。これにより、抜け毛や薄毛の予防が期待できます。
頭皮マッサージのやり方
では、頭皮マッサージのやり方をご紹介します。
両手の指を髪の中ほどに差し入れ、頭皮を上へ引き上げるイメージでほぐします。少しずつ指先をずらし、まず後頭部全体を刺激してください。
その際、耳の後ろのくぼみにある完骨(かんこつ)も刺激しましょう。ここは、頭部の血行をよくして、抜け毛を防ぐツボです。
次に、両手の指先を立てて、頭頂部全体を持ち上げるようにほぐします。少しずつ指先をずらし、額の辺りまでまんべんなく刺激します。
その際、頭頂部にある百会(ひゃくえ)のツボを刺激しましょう。百会は、抜け毛を防ぐだけでなく、ストレスや不眠も解消する万能のツボです。
全体で6分ほどかけて、この頭皮マッサージを行いましょう。週3回を目安に行ってください。
ところで、シャンプーをする際の重要なポイントは、「十分すぎるほどによく洗い流す」ことです。すすぎが足りないと、髪にも頭皮にもよくありません。ご自身で「すすげたな」と思った時点から、さらに30秒はしっかり洗い流すようにしましょう。
ご紹介した頭皮マッサージを、シャンプーを洗い流すときに行うのもお勧めです。しっかりすすげると同時に、頭皮の血行をよくすることもできるので、一石二鳥です。
→美髪をキープするには「頭皮マッサージ」と食事がポイント