髪が薄くなった人を見てみると、さまざまなタイプがあるのがわかります。額がどんどん広がって、前頭部から脱毛が進んでいる人、河童のように頭のてっぺんに髪のない人、髪がまばらになってしまった人、小さな丸い形で地肌が見えている人…。
原因が異なれば、脱毛のタイプも変わってきます。一般的に多いのは男性型脱毛症ですが、ほかにも次のようなものがあります。
①脂漏性脱毛症
夜、シャンプーしても、朝起きるころには、頭皮が皮脂でぎらついているといった、皮脂の分泌が過剰な人も多いものです。一般的に、皮脂の分泌は男女ともに壮年期がピークで、その後、女性は急速に低下していきますが、男性は60歳を過ぎるころまで徐々に減少します。だから、男性のほうが、比較的多いといえます。
皮脂の役目は、皮膚の上に皮脂膜をつくつて水分の蒸発を防いだり、皮膚にうるおいを与えたり、刺激を緩和したり、また、弱酸性の性質を活かして雑菌の増殖を防ぐことです。
意外と大事な役目があるのですが、過剰なのも問題です。毛母細胞は脂づけの状態になり、皮膚呼吸も困難なため酸素不足になってしまいます。これでは、髪がしっかりと生えることができません。
②粃糠性脱毛症
粃糠(ひこう)とはフケのことであり、皮膚は、つねに新しい細胞を生み出しています。古い細胞は水分を失いながら徐々に押し上げられ、角質層で2週間ほどとどまったあと、角片となって自然にはがれ落ちていきます。これが、フケとアカです。
エアコンをつけつばなしの部屋は、ずいぶんと乾燥しています。また、冬場は外も乾燥していることが少なくありません。こうした状態が続けば、頭皮は、うるおいをなくします。
さらに、病気による内臓機能の低下・かたよった食事・ストレスなども皮膚の角化異常を起こし、皮膚の生まれ変わりサイクルであるクーンオーバーが異常になってしまいます。
さらに毛孔壁も角化異常を起こし、場合によっては、雑菌を繁殖させ、毛母細胞にダメージを与え、脱毛の原因となります。また、石油合成系のシャンプーも頭皮や髪を傷め、フケの原因になることがあります。